閑話休題♪2022年、大河ドラマ関連紀行
2022年02月09日
今月に入ってから岐阜市内も雪続きですが、皆様のお住まいの地域も例年より降雪量が多いのでしょうか?
先週末は平野部でも20~30㎝ほど積もりました。
受験シーズン真っ只中の方々もいらっしゃるかと思われますが、公共交通機関への影響等も懸念されます。
さて、話は変わりますが、今回はこちらの場所を訪れました。
上図の写真だけで既にお分りの方もいらっしゃるかもしれませんが、こちらは 岐阜県 各務原[カカミガハラ]市 前渡[マエド]東町 に所在する、矢熊山(通称:前渡不動山)であり、山頂には佛眼院・前渡不動尊があります。
本件は、今から約800年前の承久3(1221)年に起きた「承久の乱」ゆかりの地として既に有名かと思われますが、今年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の放送はじめ広報各務原(令和4年2月1日号)掲載、その他新聞記事等々で取り上げられている事もまたそれを後押ししているのではないでしょうか。
現地には整備された案内板やのぼり旗などが見受けられます。
せっかくなので、山頂を目指し登ってみます。
上図のように二手に道が分かれているので、案内標識に従って「山頂」方面へ進みます…。
ここで南方面を眺めると、愛知県江南市の『すいとぴあ江南』が臨めました。
少し休息したところで再び山頂を目指します…。
すると、山腹にある承久の乱合戦供養塔に到着しました。
意外にも知られていない模様ですが、歴史上とても有名な戦いの一つといっても過言ではない程の合戦であったにもかかわらず、日本で唯一、承久の乱を大々的に取り上げて世間に訴えつつ、毎年イベントを行っている場所はここしかないとのことです。
これまではひっそりと行われていた承久の乱合戦供養祭〔承久の乱で、宮方軍(朝廷側=後鳥羽上皇の総大将:藤原秀康や三浦胤吉)と幕府軍(鎌倉幕府側=北条義時の総大将:北条泰時や三浦義村)が激突した*大豆戸[マメド]の戦いの戦没者を周辺住民が弔った事が発端と伝わる〕も、ちょうど800回忌にあたる昨年は例年になく盛大に執り行われたそうです。
【脚注】
*大豆戸の戦い
承久3年6月6日、各務原市前渡地区の木曽川周辺において両軍が激突し、承久の乱の勝敗を決定付けた合戦と言われる。それに由来して、今でも毎年6月に地元住民らが法要を行っています。尚、承久の乱合戦場跡・古戦場跡・陣跡の場所については、残念ながら、木曽川の何度にもわたる洪水のため正確な場所はハッキリと分かっておりません。しかし、主な場所は、大井戸・鵜沼・板橋・気瀬・大豆戸(前渡)・食渡・椑島・墨俣・市川前などと伝わります。
現地の案内看板にも合戦の様子や詳しい流れなどが記載されておりますので、訪れた際には是非ご参照して頂ければと思います。
こちらで当時の様子に思いを馳せた後、山頂へ向かいます…。
その途中、上図の矢印の所で整備されていない登山道を発見しましたが、こちらはどこへ繋がっているのでしょうか??
…ここまで来ると山頂まであと少しの様です。
無事、山頂(佛眼院・前渡不動尊)に着きました。
天候も良く、この季節では珍しく青空が透き通っているので山頂からの景色も楽しみです。
こちらの寺院の正式名称は、真言宗醍醐派『仏眼院』であり、本尊は不動明王です。
かつて、成田不動尊に子どもの眼病治癒を祈願し、そのご利益を受け治癒した恩返しにこの地へ成田不動を迎え、建立されたのが「前渡のお不動様」、つまり、仏眼院創建の由来になっているそうです。
そのご縁により、地元住民からは通称:前渡不動尊と呼ばれ、親しまれているとのことです。
大河ドラマ関連ポスターもシッカリと掲示されていました。
ふと後方を振り返ると、名古屋駅前ビル群を臨むことが出来ました。
寺院の脇を進むと、少し先に案内看板らしきものが映りましたので、拝見してみます。
真新しい感じがするこちらの看板にも大豆戸の戦いの様子などが記載されていました。
写真と照らし合わせて鵜沼(伊木山)方面を眺めると、美濃平野はもとより尾張(犬山)方面も見渡せるので、承久の乱から約360年後の小牧・長久手の戦いに於いて、羽柴秀吉軍がこの場所を陣取りに考案したという話も信憑性が高いと思えるほどのものでした。
濃尾平野や木曽川の清流を眺望できるのは実に壮観です。
ここで、山頂にある休憩小屋にて少し休憩しました。
小屋内には各方面のパノラマ図(イラスト)がありました。
天候の良い日には中央アルプスも臨めます。
金華山(岐阜市)方面にも目を向けてみましょう。
こちらも天候が良い日には、金華山(岐阜城天守閣)や岐阜駅前の高層ビルなども眺望できます。
岐阜駅周辺やその近郊に於いても、ここ数年で高層ビルや高層マンションなどが新たに建ち並び始め、少しずつ街の景観も変化しております。
この先の未来、岐阜方面に限らず、この場所から見える景色も歴史と共に移り変わっていくのかもしれませんね。
そのような感傷に浸りながら帰路につくことにしました。
帰り道はやや急な下り坂に感じられましたので、現地を訪れた際はご注意くださいませ。
今回、承久の乱ゆかりの地見学としてこちらを訪れましたが、振り返れば、2020年のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』でも岐阜が舞台でした。
このように岐阜が題材として取り上げられた貴重な機会を通じて、もっと他県の方々にも「岐阜」の魅力などについて広く知って頂けましたら幸いです。
また、今後も岐阜に関わり深い歴史スポットやメディア等で話題の場所などを訪れて情報発信等できればと思います。
長い冬も少しずつ終わりに近づいていますが、体調管理には十分お気を付けください。